オイストラフは晩年にヨーロッパを代表するオーケストラを自ら指揮した演奏を少なからず録音。オイストラフ熟期の端正だがバイタリティーに溢れた音楽観が示されていると同時に、彼の晩年の精力的な演奏活動の記録。ちなみに彼の最晩年のセッションを飾っているのもパウル・バドゥラ=スコダと組んだモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集で、オイストラフが音楽の故郷としてモーツァルトに帰っていたことが想像される。それだけに奇を衒ったところのないシンプルな解釈の中に、磨き上げられた音楽性とテクニックが光っていて、モーツァルト・ファンにとっても模範的なサンプルとして欠かせない曲集。ベルリン・フィルのようにアンサンブルにも超一流の腕を持つオーケストラは、指揮者が不在でも破綻なく高水準の合奏をすることが可能ですが、モーツァルトではむしろ抑制を利かせることが要求される。そのあたりのオイストラフの目指すものを心得たダイナミズムも巧妙だが、個人的にはもう少し小ぢんまりまとめても良かったと思う。しかしそれぞれの主題提示部での精彩に富んだ生き生きとした表現や、第3番ト長調の緩徐楽章でのヴァイオリンのカンタービレを支える抒情の豊かさも聴きどころのひとつ。商品の情報カテゴリーCD・DVD・ブルーレイ > CD > クラシック商品の状態未使用に近い,数回使用し、あまり使用感がない